6・19東京集会  田中動労千葉前委員長が講演

6・19東京集会
 田中動労千葉前委員長が講演
 戦争協力拒否し闘う!
  新自由主義はもはや大崩壊
   新たな時代開く11月集会へ!

東京労組交流センター主催の6・19民営化反対・国鉄集会で、動労千葉の田中康宏前委員長が行った講演の要旨

 ウクライナで起きている戦争を、世界中の人々が胸をかきむしられるような思いで見ています。どうにかならないのか、と。
 この思いが、世界中で大軍拡にすり替えられています。資本主義は戦争を生み出すとき、世の中を恐怖と憎悪で塗り固めて、階級的なものをつぶしていく。これに立ち向かう運動をつくらなければいけません。
 資本主義が成長の余地を失って危機に陥り、労働者への激しい攻撃として表れたのが新自由主義です。日本に新自由主義が本格的に導入されたのは、1987年の国鉄分割・民営化でした。第2次民営化攻勢が小泉政権下で始まり、郵政民営化がその焦点でした。非正規職労働者の割合は倍以上に跳ね上がります。そして、安倍政権の時から、新自由主義が生み出した矛盾があふれ始める。新自由主義の崩壊過程です。
 新自由主義の導入期に自衛隊が初めて海外に派兵され、第2次民営化攻勢の時には、自衛隊のイラク派兵や有事法制の制定が行われた。新自由主義の崩壊過程では、安保関連法・戦争法が制定されて改憲が押し出されてくる。そして今のウクライナ戦争です。
 資本主義の危機と戦争のつながりを見なければいけない。これはアメリカの労働組合の仲間たちから学んだことですが、内への階級戦争(War at home)と外への侵略戦争(War abroad)は一つです。
 動労千葉は次の定期委員会で「新戦争協力拒否宣言」を採択します。もう一回先頭に立つ気持ちで11月労働者集会へ進みたい。

戦争国家への転換が地方破壊を促進

 国鉄分割・民営化以来の大転換が進んでいます。ローカル線の廃線化です。国土交通省は検討会で、JRの全路線の57%が廃線の対象だと打ち出している。
 コロナ禍や人口減少、車の保有台数の増加を理由に挙げていますが、全部ウソです。大店法の廃止(大規模店舗設置の規制緩和)で地域の商店街は消え、買い物難民は700万人。車の保有台数は増えるに決まっています。この間、毎年400校の小中高校が廃校にされました。新自由主義が激しく地方を破壊した。
 国交省の検討会は、廃線化で「デジタル田園都市国家構想」の基盤をつくるとしています。この構想を中心で担っているのは竹中平蔵で、彼はそれを「国家改造計画」と明確に言っている。遠隔教育、遠隔医療、ドローン物流、子育てもリモート。全部バッサリ切り捨てる一方、防衛費は10兆円に倍増し、戦時型の国家にする。
 これに対し動労千葉は一歩踏み出します。7月17日の国鉄集会で、闘争宣言を発したい。

国家あげた攻撃に団結し立ち向かう

 国鉄分割・民営化のとき、動労千葉は千人ほどの小さな組合でしたけれど、正面からぶつかって闘うことを選択しました。
 「多くの解雇者が出る。少なくとも現場の三役クラスは首になる。腹を決めてくれ」と組合員に訴えました。「団結さえ崩さなかったら、この難局は乗り切れる。それにかけてくれないか」と家族にも訴えました。組合員からは「千人の組合で何ができるの」という声も出ました。でも、ここで闘って電車を止めたら、そこから事が始まる。「現場はみんな怒っている。俺たちが闘いに立ったら、次の局面は開ける」と話しました。
 その闘いが、中曽根が掲げた改憲を押しとどめ、今まで改憲をさせずに来た。労働者が団結した力は、国家を挙げた攻撃を打ち砕くことができるんです。
 一人一人の労働者がどういう立場でどう闘うか、その力が歴史に生かされるかどうか。これが労働運動の核心です。それが戦争を止める力になる。
 分割・民営化との闘いがなければ、動労千葉が労組交流センターの結成や11月集会を呼びかけることはなかったと思います。ここから国際連帯も始まりました。2003年、春闘ストライキの9日前にイラク戦争が始まった。すぐ組合員と議論して、1日目はJRに対する行動をし、2日目は全組合員を引き連れて東京に乗り込んでイラク戦争反対のデモをやった。組合員から「戦争反対はいいけど、ストをやってるのにスト破りの列車に乗って東京に行く悔しさが分かっているのか」と怒られもした。でも、これをきっかけに国際連帯が生まれました。
 核心をとらえて闘うことができれば、労働者は勝つ力を持っています。昨年12月に3労組で議論し、その思いが11月労働者集会25年の3労組アピールになりました。新自由主義が崩壊し、可能性は必ず生まれます。連合が産業報国会になるか、階級的労働運動が出てくるのか、そのぶつかり合いの中から次の時代を開く力を生み出したい。それをかけて、今年は日比谷野音を満杯にする11月集会を開きたいと思います。

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