嘉手納・普天間基地行政訴訟 住民ら「騒音を体感してほしい」

嘉手納・普天間基地行政訴訟 住民ら「騒音を体感してほしい」

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毎日新聞

米軍の嘉手納基地と普天間飛行場の騒音被害救済を求める行政訴訟の第1回口頭弁論を前に、裁判所へ向かう原告ら=那覇市の那覇地裁前で2022年11月30日午後1時52分、比嘉洋撮影

 沖縄県の米軍嘉手納基地(嘉手納町など)と米軍普天間飛行場(宜野湾市)の周辺住民計30人が騒音被害を受けているとして、米軍機の夜間・早朝の飛行差し止めを米国に求める地位にあることの確認などを日本政府に求めた行政訴訟の第1回口頭弁論が30日、那覇地裁(藤井秀樹裁判長)であった。日本政府側は訴えの却下を求めた。

 意見陳述した宜野湾市の女性(43)は、2017年に息子が通っていた市立普天間第二小学校の校庭に飛行中の米軍ヘリコプターから窓が落下した事故に触れ、「その状況を運動場にいた子ども目線でリアルに想像してほしい。実際に普天間第二小で米軍機の騒音を体感してほしい」と訴えた。  米軍基地の騒音被害を巡っては、住民が日本政府を相手取った民事訴訟が繰り返し起こされ、政府に損害賠償を命じる判決が確定しているが、飛行差し止めの訴えは「国は米軍機の運航を規制し、制限できる立場にない」とする「第三者行為論」で退ける司法判断が続いている。また、米国政府を相手取った訴訟も起こしたが、「訴えは不適法」として却下されてきた。

 今回の行政訴訟では、米国に飛行差し止めを求める法制度を国が作っていないのは、憲法が保障する住民の「裁判を受ける権利」を侵害し、違憲であると主張。住民が米国に飛行差し止めを請求する地位にあることの確認などを日本政府に求めている。【比嘉洋】

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