カタール、W杯労働者の窮状訴えたケニア人警備員を逮捕・起訴

カタール、W杯労働者の窮状訴えたケニア人警備員を逮捕・起訴

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AFP=時事

2022年サッカーW杯カタール大会で試合会場となっているアル・ジャヌーブ・スタジアムの空撮写真(2020年11月20日提供)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】カタール当局は29日、来年開催予定のサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)のインフラ整備事業に従事する外国人労働者の劣悪な労働環境をブログで告発したケニア人警備員を拘束し、「外国の工作員」から金銭を受け取って虚偽情報を流布した罪などで起訴したことを明らかにした。

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 警備員のマルコム・ビダリ(Malcolm Bidali)氏をめぐっては国際人権団体が28日、カタール治安部隊に今月4日に身柄を拘束されたとして、所在の公表と即時釈放を求めていた。

 ビダリ氏は「ノア(Noah)」というペンネームで、スタジアム建設などW杯のインフラ整備事業の現場で働く外国人労働者の苦境を告発する記事を何本も執筆し、ブログで公開していた。

 カタール政府は、ビダリ氏を今月初めに逮捕したことを認めるとともに、「虚偽情報の作成と流布を行うため外国の工作員から金銭を受け取ったことに絡み、複数の罪で正式に起訴した」と発表した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)、ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)、マイグラント・ライツ(Migrant-Rights.org)、フェアスクエア(FairSquare)、ビジネスと人権リソースセンター (BHRRC)の5団体は、ビダリ氏について共同声明で、「平和的に人権を行使したことによって拘束された」との見解を表明。直ちに釈放するよう求めている。

 天然ガス資源が豊富なカタールは、主にアフリカとアジアから働きに来る大勢の外国人労働者の待遇をめぐって国際機関からたびたび批判されている。【翻訳編集】 AFPBB News

 

カタールW杯の建設現場、最長148連勤の過酷環境が判明

 発信地:ドーハ/カタール [ 中東・北アフリカ カタール ]
カタールW杯の建設現場、最長148連勤の過酷環境が判明

 
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2022年サッカーW杯カタール大会のスタジアム建設現場で働く労働者(2018年2月6日撮影)。(c)AFP/KARIM JAAFAR
  • 2022年サッカーW杯カタール大会のスタジアム建設現場で働く労働者(2018年2月6日撮影)。(c)AFP/KARIM JAAFAR
  • 2022年サッカーW杯カタール大会のスタジアム建設現場で働く労働者(2018年2月6日撮影)。(c)AFP/KARIM JAAFAR
  • 2022年サッカーW杯カタール大会のスタジアム建設風景(2018年2月6日撮影)。(c)AFP/KARIM JAAFAR
  • 2022年サッカーW杯カタール大会のスタジアム建設現場で働く労働者(2018年2月6日撮影)。(c)AFP/KARIM JAAFAR
  • 2022年サッカーW杯カタール大会のスタジアム建設風景(2018年2月6日撮影)。(c)AFP/KARIM JAAFAR
  • 2022年サッカーW杯カタール大会のスタジアム建設風景(2018年2月6日撮影)。(c)AFP/KARIM JAAFAR
  • 2022年サッカーW杯カタール大会のスタジアム建設現場で働く労働者(2018年2月6日撮影)。(c)AFP/KARIM JAAFAR

【3月9日 AFP】2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)のスタジアム建設現場における労働環境に関する報告書の中で、移民労働者が最長148日連続で働いていることが明らかになった。

 報告書を作成した英コンサルティング会社インパクト(Impactt)によると、大会主催者の引き渡し・遺産最高委員会(Supreme Committee for Delivery and Legacy)による監督の下で働く1万8500人の多くにとって、長時間労働は依然として問題になっているという。

 19ある建設会社のうち13社で労働者が酷使されているというインパクト社は、「19社中8社において、1週間の労働時間が72時間を超えたり、1日2時間以上の残業があったりするなどの重大な違反があった」とすると、「もっとも極端なケースでは、1日14時間、月402時間も働いていることが分かった」と報告書の中で述べた。

 さらに「同じ8社で休日を設けずに労働者を連日働かせる違反もあった」とした上で、「最悪の場合では、ある建設会社で働く3人が、一日の休みもなく124日から148日も連勤していたことが明らかになった」と続けた。

 カタールの法律では、労働者の就労時間は週48時間、1日8時間相当と定められているのに加え、時間外労働については1日2時間に決められており、少なくとも週1日は休みを取ることになっている。(c)AFP

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