奄美陸自、火薬庫など40億円 防衛省22年度概算要求 輸送艦取得など、南西防衛に軸足

奄美陸自、火薬庫など40億円 防衛省22年度概算要求 輸送艦取得など、南西防衛に軸足

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奄美新聞

弾薬庫の整備が進められる陸上自衛隊瀬戸地分屯地(資料写真)

 防衛省は8月31日、2022年度予算案の概算要求を公表し、過去最大となる5兆4794億円(前年度当初予算比2・6%増)を計上した。

 陸上自衛隊奄美駐屯地関連では、同瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)の火薬庫整備など約40億円を計上した。

 また海洋進出を強める中国を念頭にした南西諸島の防衛力強化に向けては、島しょ部に部隊を輸送する艦艇2隻の取得経費などが盛り込まれた。

 同省は、瀬戸内分屯地の小銃弾や地対空誘導弾など弾薬を保管する「火薬庫地区」の整備を18年度から進めており、法面=のりめん=をトンネル状に掘削したコンクリート製の弾薬庫5棟の整備を予定。現在は2本目の整備が進められており、新たな整備費には24億円を要求。奄美駐屯地・同分屯地のコンテナヤード整備費などを含め、約40億円が計上された。

 また、22年度末には補給や更生などの管理機能強化を目的に、奄美警備隊後方支援隊から独立させた駐屯地業務部隊の新たな編成も計画。これに伴い奄美大島内の人員は600人程度までに増員する。

 このほか概算要求では、島しょ部への部隊や装備品など輸送強化を目的に中型級艦艇と小型級艦艇各1隻の取得経費として102億円を計上。瀬戸内分屯地の火薬庫を含む、石垣島への警備部隊配置に伴う車両整備場や宮古島駐屯地倉庫の整備など、南西警備部隊などの配置に伴う施設整備費には169億円が求められた。

 陸自奄美駐屯地は2019年3月に開設。同駐屯地には警備部隊、中距離地対空誘導弾(中SAM)部隊など約350人、瀬戸内分屯地には警備部隊、地対艦誘導弾(SSM)部隊など約210人配置されている。

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