連合は、過労死にいたる残業容認

連合会長の神津は、3月13日、経団連会長の榊原と共に首相官邸を訪問し、安倍が企む労働基準法の改悪をめぐり、残業規制の上限を繁忙期については「月100時間未満」とするように要請した。月100時間とは、厚生労働省さえ、過労死認定の基準とする数値だ。連合は、労働組合の名で、過労死するまで労働者を働かせていいと資本に表明したのだ。それに対して経団連は「100時間以下」を主張し、安倍の裁定で「100時間未満」で決着したと報じられているが、これ自体がとんでもない茶番だ。「未満」と「以下」の違いは「99時間まで」と「100時間」までのちがいである。

安倍政権が狙う労基法改悪の骨子は、残業時間の上限を原則として月45時間、年間360時間としたうえで、繫忙期には年間720時間、月100時間まで上限を引き上げ、この規制を超えて労働者を働かせたら使用者には、刑罰を科すというものだ。電通の新人女性労働者の過労死自殺が明らかになったことをきっかけに、資本への怒りが昨年秋以降、広く社会に噴出した。

安倍もこの問題に飛びつき、「働き方改革」で長時間労働が是正されるかのようなペテンを振りまいてきた。だが、出てきたものは、過労死まで働かせていいという労基法改悪案だ。安倍はそれを「労働基準法70年の歴史的な大改革」とうそぶいてる。こんなことを認めたら労基法は労働者保護の建前さえ失って、資本の飽くなき搾取を合法化するものに完全に変質する。この攻撃に道を開いたのが連合だ。

しかも安倍は、36(サブロク)協定という制度さえ撤廃することをねらっている。労基法は、1日8時間、1週40時間を原則として、それを超えて労働させる場合は、過半数を組織する労働組合か、労働者の過半数を代表する者との書面による協定を結ばなければならないとさだめている。本来これは、労働時間の無制限な延長を労働者・労働組合の力によって規制することを目的としたものだ。だが連合などの御用組合は、資本の言いなりになって無制限に労働時間を労働者に強いるためのものに変質させてきた。

安倍は、それにとどまらず36協定そのものをなくそうと企んでいる。これは連合をも対象にした究極の労働組合解体の攻撃だ。労基法の改革と併せて、安倍はいわゆる「残業代ゼロ」法案の成立をねらっている。これは、「高度専門業務」に就き、年収1075万円以上の労働者については労働時間規制を撤廃するというものだ。だがいったん法が成立すれば年収条件はいくらでも引き下げられる。

過労死に至る長時間労働を認めた連合の裏切りは、連合の大崩壊の始まりだ。連合はJR総連を先兵に強行された国鉄・民営化と共に登場したが、国鉄民営化は、総破産した。第2の分割民営化との決戦は、JR総連と連合を安倍もろとも打倒する闘いだ。日本でのゼネストを実現し、労働法制改悪を阻止しよう。

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