不正受給は1億7045万円 よろづや観光の雇調金 石川労働局、全額返還求める

不正受給は1億7045万円 よろづや観光の雇調金 石川労働局、全額返還求める

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北國新聞社

 加賀市山代温泉で旅館「瑠璃光」「葉渡莉」を運営するよろづや観光が雇用調整助成金(雇調金)を不正受給していた問題で、石川労働局は29日、不正受給額が1億7045万6811円だと発表した。2020年6月以降、労働者が出勤したにも関わらず、休業したと申請していた。労働局は全額の返還を求めた。同社は既に一部を返還した。

 石川労働局によると、新型コロナ対応の雇調金の不正受給は、県内で4月末現在、6件約3200万円が確認されており、よろづや観光が県内最高額となる。

 同社は今月15日の記者会見で、20年6月~21年9月に受け取った雇調金約1億7千万円のうち約2千万円を、実際には休業させずに受け取ったと労働局から指摘されたと説明していた。労働局は20年6月以降に支給した全額を不正とみなし、返還対象とした。今月15日に支給決定を取り消した。

 同社によると、21年10月、ハローワーク加賀から、タイムカードと、雇調金の申請で提出した時間外申請書の勤務記録に不一致があると連絡があった。

 同社の萬谷浩幸社長は北國新聞社の取材に「23日に労働局に納付計画書を提出し、受理された。一括で返還できないので、分割して全額を返還する」と話した。同社は29日、ホームページに萬谷社長の「深くおわびする」とのコメントを掲載した。

 厚生労働省によると、全国の不正受給は3月末現在、495件約63億2千万円となっている。  

★雇用調整助成金

 企業が休業させた従業員に支払った休業手当の一部を国が助成する制度。不正受給をした事業所に対して都道府県労働局が返還を求めることができる。不正受給をすれば、受給額にその2割相当の金額や延滞金を加えて返還しなければならない。

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