「ほとんどが泣き寝入りだ」中国マンション建設中断 デモ多発の背景
現地で起きた“ローン支払い拒否”のデモ
中国でマンションの建設中断が相次ぎ、購入者による大規模なデモが多発している。なぜ、このような事態になっているのだろうか。実際に現場を取材したANN中国総局の記者・千々岩(ちぢいわ)森生総局長はこう話す。
【映像】コンクリートがむき出しに…建設放棄された中国マンション(画像あり)※現地の様子
「取材した中国・武漢のマンションは、2年前から建設が始まりました。けれども、去年3月にストップ、1年以上も止まったままです。実は同じような問題は中国全土で起きていて、10年以上前からかなり大きな問題になってきていました。そういった人たちの不満や不安が溜まっていたところに、火が付いたような形です。ある種のローン支払い拒否運動のようなものが始まっていて、今までも各地方で個別的な動きはありましたが、SNSによって拡散されたことで『うちのマンションも』と、1~2週間で一気に中国全土に広がりました」(以下、千々岩総局長)
ANN・千々岩総局長
千々岩総局長によると、建設が中断し住宅ローンの支払い拒否運動が起きているマンションは、中国で300カ所もあるという。調査機関が発表した資料を元に、千々岩総局長が地図に落とし込んだ結果、やはり中国全土に広がっていた。建設が中断したマンション自体はさらに多いという。 「武漢のマンションを購入した被害者の女性が、インタビューに答えてくれました。女性はスマホでマンションの写真を撮って、同じマンションを買った人たちに『いまこういう状態になっています』『昨日も今日も建設がストップしてる』と共有するんだそうです。女性が取材中に涙を浮かべるほど、それぐらい事態は深刻な状態になってきています」
「ほとんどが泣き寝入りだ」中国マンション建設中断 デモ多発の背景