コロナで経営破綻、タイ航空元社員解雇「無効」…大阪地裁審判

コロナで経営破綻、タイ航空元社員解雇「無効」…大阪地裁審判

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読売新聞オンライン

大阪地裁

 新型コロナウイルスで業績が悪化し、経営破綻したタイ政府系航空会社「タイ国際航空」を解雇された大阪市の元社員の50歳代男性が申し立てた労働審判で、大阪地裁が解雇の無効を認め、未払い賃金の支払いを命じたことがわかった。7月27日付。

 申立書などによると、タイ航空はコロナ下の需要減で、2020年5月に経営破綻した。経営再建を進める中、日本国内でも従業員を42人減らす予定を示し、21年8月から希望退職を募り、同年10月までに41人が退職した。

 男性は約30年前に採用され、大阪支店(大阪市)の営業部門で取引先からの電話対応などに従事。希望退職に応じなかったが、同年11月、上司から持病を理由に退職を打診された。これを断ると今年1月、「勤務成績が悪い」などの理由で解雇された。

 男性側は3月に労働審判を申し立て、経営上の都合による解雇が目的だとして、「事実に基づかない抽象的な理由を作り上げており、解雇権の乱用だ」と訴えた。一方、タイ航空側は男性の勤務態度に問題があったとし、「合理的な理由がある」と争っていたが、地裁は男性側の訴えを認めた。

 男性側の代理人弁護士によると、タイ航空が7月30日に異議を申し立てたため、民事訴訟に移行する。タイ航空は取材に「コメントは差し控える」としている。

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