「こんなに長期化するなんて」 辺野古ゲート前の座り込み3000日に

「こんなに長期化するなんて」 辺野古ゲート前の座り込み3000日に

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毎日新聞

米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、米軍普天間飛行場の県内移設計画に抗議の座り込みをする人たち=沖縄県名護市辺野古で2022年9月22日午前11時53分、竹内望撮影

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設工事が進む名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で2014年7月から続く抗議の座り込みが22日、3000日を迎えた。正午ごろには市民団体のメンバーら約100人が集まり、「戦争につながる基地はいらない」と声を上げた。

 政府はシュワブの沿岸部を埋め立ててV字形の滑走路2本を整備する計画で、18年12月からはシュワブ南側の海域で埋め立て工事を進めている。土砂は海路で現場に運ばれるが、シュワブのゲートからも資材などを載せた大型車両が連日、基地内に入るため、市民団体のメンバーらは工事を遅らせようとゲート前に座り込む。新型コロナウイルスの感染拡大後、組織的な抗議行動は中断したが、有志が座り込みを続けてきた。

 22日も強い日差しが降り注ぐ中、参加者がゲート前で「土砂投入はやめろ」などと書かれたプラカードを持って椅子に座り、抗議した。県警機動隊が移動を促し、トラックやミキサー車が次々と基地内に入った。

 長く抗議活動の先頭に立ってきた沖縄平和運動センター顧問の山城博治さん(70)は「数人で座り込みを始めた当初は国が計画を見直し、工事を中止すると期待していた。こんなに座り込みが長期化するなんて予想しなかった」と振り返った。台湾に近い県内の島々への自衛隊配備が進んでいることも念頭に、「政府が言うままにやらせていたら、沖縄がまた戦場になる。声を上げ続けるしかない」と訴えた。

 11日投開票の知事選で辺野古移設反対を掲げて再選した玉城(たまき)デニー氏(62)は16日の定例記者会見で、「(座り込みは)沖縄に、これ以上の米軍基地の建設は許さないという市民の抗議活動と認識している。政府は多くの県民が反対の民意を示していることを受け止めてもらいたい」と述べ、移設問題の解決に向けた県との対話に応じるよう改めて求めた。【竹内望】

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