打刻せず出勤、8割経験か 山代・加賀百万石の雇調金不正 「タイムカード押すな」の張り紙・・・・泥棒ホテル

打刻せず出勤、8割経験か 山代・加賀百万石の雇調金不正 「タイムカード押すな」の張り紙

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北國新聞社

雇用調整助成金の不正受給を謝罪する吉田社長=加賀市山代温泉の旅館

  ●吉田社長が謝罪  加賀市山代温泉の旅館「みやびの宿 加賀百万石」で雇用調整助成金(雇調金)の不正受給が行われていた問題で、吉田久彦社長が27日、同旅館で会見し「申し訳ありませんでした」と謝罪した。吉田社長は、当時の運営会社が従業員に対し出勤を減らすよう指導したことがきっかけだとし、従業員の約8割がボランティアと称してタイムカードに打刻せずに勤務した可能性があると明らかにした。 【写真】会見する吉田社長=加賀市山代温泉  問題発覚後、吉田社長ら現在の運営会社幹部がパートやアルバイトを含めた全従業員約90人のうち、25人を抽出して聞き取った。「(上司の)指示を受けた」と回答した人が多かったという。吉田社長は旅館内にタイムカードを押さないようにと記載した張り紙も掲示されていたとし「役職者がボランティア出勤を指示したのは間違いない」と断言した。  一方、当時の旅館幹部や従業員には、ボランティア出勤なら雇調金が受け取れるという誤った認識があったとも主張した。前運営会社「ビッグ総合開発」(大阪市)の経理部長がそうした情報を伝えたのが原因とした。  吉田社長は「経理部長に不正受給の意図はあったと思う」と指摘。経理部長は百万石の従業員分を含めタイムカードの改ざんなどが発覚したため、解雇されるという。ビッグ総合開発の代表取締役だった金沢孝晃氏らへの報告や相談はなかったとした。  不正が行われたのは2020年12月~21年10月で、雇調金の申請をした約1億4千万円のうち約4千万円が不正分に当たり、返還額は罰金を合わせて1億数千万円に上るとの見通しを示した。11月中旬に大阪労働局からビッグ総合開発に返還通知が届く見込みで、同社が全額返すという。31日には従業員向けの説明会を開く。  旅館は客室数224で、宴会場などを備える。前身の「ホテル百万石」は1907年創業の老舗旅館として知られたが、2010年に管理会社が破産。休業を経て18年、ビッグ総合開発が現在の名称で営業を再開した。

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