奄美「復帰運動の父」泉芳朗の日記見つかる 日本復帰前「2島分離報道」に緊迫、米軍政府対応記す 25日初公開

奄美「復帰運動の父」泉芳朗の日記見つかる 日本復帰前「2島分離報道」に緊迫、米軍政府対応記す 25日初公開

配信

南日本新聞

泉芳朗氏

 奄美群島の日本復帰運動を主導した詩人の泉芳朗(1905~59年)が復帰前に書いた日記が、25日に奄美市民交流センター(鹿児島県奄美市名瀬)で開かれる復帰69年記念式典で初公開される。当時の住民の暮らしぶり、沖永良部と与論は復帰対象外との「2島分離報道」を巡る対応などを記した貴重な資料。式典以降も奄美博物館(同)で展示される。

 52年9月16日から11月13日に執筆された。大学ノートの表紙に「牛歩」と題が付いている。2014年ごろ、おいの泉宏比古さん(64)=神奈川県=が、茨城県の実家で資料整理中に見つけ、中身を調べていた。

 2島分離報道に際し、2島住民に「動揺せず初志貫徹のため共に奮斗せん この情報の真相照会中」(9月30日)と呼びかけるなど緊迫した様子が伝わる。名瀬市長としての米軍政府とのやり取りも記した。

 泉は米軍統治下の奄美で奄美大島復帰協議会議長を務め、署名運動や断食祈願(ハンガーストライキ)を行った。日記とともに、代表作「島」の自筆原稿も見つかり、同時公開される。

 宏比古さんは「記された字や内容を見て、当時の空気感や芳朗の復帰に向けた熱量を感じ取ってほしい」と話した。

カテゴリー: その他 パーマリンク