在外ミャンマー人も「国軍は出て行け」 世界各国で抗議デモ

在外ミャンマー人も「国軍は出て行け」 世界各国で抗議デモ

アウンサンスーチー氏の解放などを求めるタイ在住のミャンマー人たち=バンコクで2021年2月10日午後5時14分、高木香奈撮影

 ミャンマー国軍のクーデターに対する抗議デモが全土に広がる中、世界各国に住む在外ミャンマー人からも、デモ隊を支援する声が上がっている。軍事政権が市民を弾圧してきた歴史があるミャンマーで、国軍の強硬姿勢に対する反発は強い。

台湾

「国軍のクーデターに反対」「ミャンマーに自由を」。華僑や移民らミャンマーゆかりの人が約4万人住む台湾。北部・新北市にある台湾最大のミャンマー街では6日、約400人が参加するデモが起きた。参加者らは、アウンサンスーチー国家顧問率いる国民民主連盟のシンボルカラーである赤色のシャツに身を包み、軍政に抗議の声を上げた。

ミャンマー国軍のクーデターに抗議の意思を示すココナイトゥさん(左)と、エトゥモンハンさん=台湾北部・新北市で2021年2月8日午後8時34分、福岡静哉撮影

 デモを計画したココナイトゥさん(53)は旧軍政下にあった1988年夏、民主化要求運動に参加した。当時はヤンゴン大の3年生。軍はデモ隊に容赦なく銃を向け、「目の前で学生たちが次々と撃たれ、死んでいった」。当時、デモ参加者の死者は1000人以上に達した。運動は鎮圧され、ココナイトゥさんはタイを経て台湾に逃れた。「国軍の体質は何も変わっていない。今回のデモでも、民衆に銃を向ける懸念がある。国際社会はもっと国軍に圧力をかけてほしい」と訴える。

 「命を捨てる覚悟はできている」。台湾でのデモに参加したエトゥモンハンさん(37)は、現地での抗議活動に加わる複数の友人からこんなメールを受け取った。「私もミャンマーに帰って友人と共に声を上げたい」と焦りを募らせる。だが国軍は空港を閉鎖しており、今は帰国できない。友人たちからは「海外から民主化運動を支えることも大事だ」と逆に励まされた。エトゥモンハンさんは「私たちは希望を捨てていない。世界の国々はどうかミャンマーの民主化運動を支援してほしい」と力を込めた。

タイ

軍事クーデターに抗議するタイ在住のミャンマー人たち=バンコクで2021年2月10日午後5時15分、高木香奈撮影

 ミャンマーの隣国タイは、世界最多となる約300万人のミャンマー人が暮らす。主に農林水産業や家事労働などに従事し、少子高齢化の進むタイ社会を支える。

 バンコクにあるミャンマー大使館前などでは、クーデターへの抗議集会が断続的に開かれている。主催者の一人で、洋服店店主の男性(40)は「権力者が人々のことを考えない軍政時代に戻ると思うと、悲しい」と話す。

アウンサンスーチー氏の解放などを訴えるタイ在住のミャンマー人男性=バンコクで2021年2月10日午後4時54分、高木香奈撮影

 ミャンマーのデモ参加者の間では、タイで王室改革などを求める反体制デモ隊が用いる3本指をつき上げるポーズが広がっている。両国のデモ隊が今後、相互に影響を与え合う可能性もある。

米国

 米国のミャンマー系人口は推計で30万人以上。移民が多い地域を中心に、クーデターへの抗議デモが散発的に起こっている。首都ワシントンのホワイトハウス近くでは8日、ミャンマー系の市民団体が開いた抗議集会に若者ら200人以上が集まった。ミャンマー国旗や「スーチー氏を今すぐ解放せよ」などと手書きしたボードを掲げ、「国軍は出て行け」とシュプレヒコールを上げた。マイクを握った女性が「米国大統領と連邦議会に、ミャンマー国軍に対する断固たる措置を求める」と訴えると、大きな拍手が起きた。

【新北(台湾北部)福岡静哉、バンコク高木香奈、ロサンゼルス福永方人】

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