鮮やかな伝統衣装を纏い、タリバンに対抗するアフガン女性たち。そのスローガンは?

鮮やかな伝統衣装を纏い、タリバンに対抗するアフガン女性たち。そのスローガンは?

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フィガロジャポン

SNS上で、この女性は自分の写真を投稿し、次のように記した。「タリバンの服装規定に抗議するために、私は誇りを持ってアフガンの伝統的衣装を着た写真を共有します。明るく鮮やかな色にジュエリーを添えて」 photo : Abaca

タリバンによる服装規定に対抗するため、アフガン女性たちは、#Donottouchmyclothesのハッシュタグをつけて、伝統衣装を纏った写真をSNS上に投稿している。歴史と色彩が、抑圧に対抗する。

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「Do not touch my clothes(私の服に触るな)」。女性たちは一斉にこう唱え始めた。SNS上のこのスローガンは、タリバン新政権に抵抗するアフガン女性たちのハッシュタグになった。投稿には、新政権が着用を義務づけようとしている黒いアバヤ(編集部注:身体を覆う大きなベール)とは程遠い、美しい伝統衣装に身を包んだ、ベールも身につけない写真が添えられている。

 エメラルドグリーンフューシャピンク、ゴールデンイエロー、ターコイズブルー……アフガン女性の衣装は喜びの賛歌であり、色彩へのラブレターだ。化粧をして、時には額にジュエリーを付け、自分たちの文化を主張し、暗愚から伝統を守っている。

新しい抵抗の場

SNS上でのこの運動は、9月12日、歴史学者で大学教授のバハル・ジャラリが米国で始めたものだ。胸に花が刺しゅうを施した緑のロングドレスを着た写真を投稿し、「これはアフガンの文化。私はアフガンの伝統衣装を纏う」とキャプションを添えた。このツイートは、この前日にカブールの大学で開かれた、タリバンを支持する女性集会を受けての投稿だ。彼女らは皆ニカブを纏い、新政権への支持を表明したという。 スポーツすることや仕事を奪われ、自宅に軟禁される……。8月15日にタリバンが政権を掌握した時、アフガニスタンの女性の生活は一変した。20年前にタイムスリップしたのだ。 新政権は、1996年から2001年までのようにブルカ(編集部注:目の部分にネットをつけた全身を覆うベール)の着用を新たに課したわけではないが、大学の女学生の服装を規制している。女学生たちは現在、黒いアバヤと、顔を覆って目だけが見えるニカブの着用を義務付けられている。 この措置は、女性が公共の場や社会に出ることを良しとしないタリバンの教義に沿ったものだ。イスラマバードのRFI特派員の報告によると、伝統衣装を着て写真をSNSに投稿するアフガン女性たちは、海外在住者であることが多いという。アフガニスタンにいる人々は、自分をさらけ出すことを恐れている。たった一枚の写真が、彼ら/彼女らの命を危険にさらすから。

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