クルド人家族、5年前に難民申請も結果出ず 「就労不可」「病院に行けない」過酷な日

クルド人家族、5年前に難民申請も結果出ず 「就労不可」「病院に行けない」過酷な日々〈AERA〉

配信

AERA dot.

蕨市の古い木造家屋で、家族5人で暮らすクルド人一家。「家族みんな、一緒にいる時が一番幸せ」と夫婦は声をそろえた(photo:横関一浩)

■ありふれた日常を望む

「病院にも行けない。けがをしても我慢しています」

 と訴える。保険証がないので、医療費は実費だ。風邪はもちろん虫歯も我慢し、よほど体調が悪くならない限り病院には行かない。長男が足を骨折した際も、病院で一度だけX線写真を撮ったきりだったという。

 5年前に家族で難民申請をしたが、結果はまだ出ない。そんな男性が最も恐れるのが、入管への収容だ。

 仮放免者は通常、2カ月に1度、入管に呼び出され更新手続きをする。今はコロナ禍のため呼び出しはストップしているが、いつ再開するかわからない。呼び出されると、そのまま収容されることもある。収容期間に上限はなく、強制送還される可能性もある。子どもたちのためにも、日本で頑張って生活していきたいと訴える男性。将来の夢を聞くと、こう言った。 「難民として認めてもらい、働いて税金も払って、日本人みたいに生活したいです」

(編集部・野村昌二) ※AERA 2021年10月11日号より抜粋

カテゴリー: その他 パーマリンク