アフガニスタンの動向に世界の目が向いている間に、ミャンマー軍事政権は市民虐殺をエスカレートさせている。2月のクーデター以来、殺害された市民は1100人を超えた。中でもターゲットになっているのは、民主派「挙国一致政府」(N U G)が創設した「国民防衛隊」(P D F)の中核をなす世代でもある10ー20代だ。NUGが9月、市民に蜂起を呼び掛けた後、国軍は毎日のように非武装の若者たちをも逮捕・処刑している。10月に入り、国民防衛隊などによるゲリラ戦が活発な地域に、国軍は武力弾圧で悪名高い内務副大臣らを送り込み、大規模な民主派攻撃作戦の準備を始めた。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、「大量の重火器が配備され、数千人の兵士が増派されている」と指摘し、さらに多数の犠牲者が予想される事態に深い懸念を表明し、国際社会に注意を喚起した。
Khit Thit Mediaは、9月27日からの4日間にわたったザガイン管区での国軍の攻撃を、地元住民らからの情報などを基に報じている。それによると、国軍は侵攻した村々で住民に対し拷問や殺害、レイプを繰り返し、破壊した住居から化粧品に至るまで物資を強奪した。分かっているだけでも殺害された住民は29人。その中には大学生ら20代の男女、アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(N L D)支持者、市民不服従運動に参加した警察官もいた。ジャングルなどに避難した住民は数千人に上るという。
9月末、4人の若者がヤンゴン中部の通りで射殺される様子を隠し撮りした動画が、S N Sで広がった。9月25日午前1時半。アパートから引き摺り出された4人が街灯の中で、頭を壁に打ち付けられたり、膝まずかされたりしている。連続した銃声が響き、道路に倒れた人を何度も蹴り上げる男たち。その後、地面に横たわった人たちは車に積み込まれた。動画は、近くの建物の上階から隠し撮りされていた。
ザガイン管区モンユワに本部を置く北西部軍管区には10月1日、クーデター後に内務副大臣に就任したタンフライン中尉ら2人が着任した。タンフライン中尉は、全国に広がった平和的デモを武力で弾圧したことで知られる。北西部軍管区が管轄するザガイン管区やチン州などでは10月上旬から中旬にかけ、砲弾など重火器や数千人の兵士を載せた軍用トラックの車列が目撃され、それを撮影した動画が次々とS N Sに投稿されている。一部の地域ではインターネットや携帯電話が遮断され、北西部軍管区に住む軍高官の30家族が軍用機で退避した。