■高山俊吉弁護士の11・7集会発言

■高山俊吉弁護士の11・7集会発言

 JR東海の名誉会長、葛西敬之がかつて言ったことがある。「そろそろどこかで戦争でも起き
てくれないことには、この国の経済が成り立たなくなる。インドあたりでどうかな」と。これは彼の言葉です。限りなく正直で、限りなく正確な発言だと思う。
 戦争は生命と財産を奪って局地的な利益をもたらす。儲ける話です。全国の闘う労働者、闘う労働組合が手をつないで新自由主義を終結に導く。そしてこの国の戦争突入を一身を挺して阻止
し、改憲を阻止する。この二つの課題は実は文字通り、一体の関係にあります。
 国の経済が疲弊して破綻していればもちろんのこと、そうでなくても資本は基本的に収益の極大化を追求する。コロナ禍のもとにあっても、いやそうだからこそ、トヨタ、日本製鉄も、大手
の商社も、軒並みこの間、利益が過去にないほどのレベルになっているということが報告されている。しかし、下請けのまた下請けの、重層の下請けの現場の労働者の生活は、まさに生活苦に
あえぐものになった。政府は大資本の利益追求のお膳立てを請け負って、そして戦争のチャンスをうかがって、戦争準備を合理化する理屈を探し出すことに躍起になっている。
 陸上自衛隊 14 万人のうち 10 万人が九州地域に結集をして、そして有事を想定すると称した中国侵略戦争の準備に入った。具体的な準備に入っている。この状況に今日日本は直面をしている。
「生きさせろ」と要求して決起する労働者、労働組合は、資本や政府が戦争への突進を期待していることを見抜いている。いや、葛西は自分から言った。闘う労働者、労働組合は、戦端開始
にお墨付きを与え公認する憲法の改悪に向けて命をかけて反対しようとしている。
 資本や国の激しい反撃はしかし闘う仲間を次々と生み出し、新しい組織を誕生させる。今日の前半の報告は、その一つ一つが具体的なその内容をなすものであったと思います。私たちはそれ
ら全ての闘いと同じ現場にわが身を置いて、そして一つ一つの取り組みを、自分自身がその先頭に立って闘ったものと、そう確信をしているはずです。そうではないだろうか。
 過労死との闘い、原発国策との闘い、軍事空港国策との闘い、それら様々な分野からの連帯の挨拶もあった。これは、私たちがまさに人間の尊厳を傷つける者たちへの深い怒りの糸でつながっていることを実感させるものであったと私は思います。
 さて、後半が始まります。その最初に一言だけ、今回の衆院選の総括をしておきたい。私の総括です。
 二つのことだけ言いたいと思います。自民党が単独過半数をとったとか、改憲の発議には3分の2を要する、これを超えたという報道がなされている。実体はいかなるものか。自民党を支持する行動を投票という形によって示した人というのは、1900万人台です。1900万人というのは有権者の2割を割っている数で
2す。有権者の2割に達しない人しか自民党を積極的に支持する行動をとらなかったという事実、そのことを見抜く必要があります。
 多くの人たちは反対をし、あるいは首をかしげて疑問の目をもってみている。この状況がこの国の実情だ。この間の選挙で3分の2以上の議席をとった、今回の選挙でも改憲野党も加えて3分の2以上の議席をとっているこの与党勢力が、どうして改憲の提案を発議できないのかということを考えよう。なぜしないんだろう。どうしてこの間何年もそれができないんだろう。それは、
いまお話したような勢力しか、実はそれが彼らの実像でしかないということ。反対をする者が実は非常に多いということ。選挙のからくりによっておかしなことが行われているけれども、人民
の多くが批判をし、あるいは疑いの目をもって見ていることが分かったということです。
 それにしても、自民党を支える野党共闘、この野党共闘は自民党と対決するものではなかったかと思っている人がこの中におられるとすれば、それは間違いです。野党共闘というのは自民党
を支える運動だ。あの枝野が言ってることと、岸田が言ってることはどこが違うのかっていう声があったでしょう。その枝野を支えようと共産党が言ってるんだから、どういうことになるか。
全体が翼賛の国会にしかならないでしょう。何をもって野党か、どこに違いがあるか。これがいったいこの国の政治だとするならば、国会は芝居小屋だと言ったのは本当にその通りだ。
 闘いの現場はどこにあるのか。闘いの現場はここにある! 闘っている人たち、闘う労働組合、その人たちと連帯する多くの人の、その心の内にある。その行動が具体化したときに、私たちは
この社会を根底から変える。そのことを私は断言したいと思う。
基地、広島、沖縄、三里塚、そして国際連帯の発言や、各分野の職場の報告があると思います。
 改憲と戦争阻止のテーマをめぐっては、司法にかかわる闘いも少なくありません。私が関わっている裁判員制度反対運動も街頭行動を 11 月 19 日に控えています。全てが私たちの闘いです。改憲と戦争阻止をめぐる現状というのは、闘いの決定的な好機が到来しているのに、本当に闘う運動や組織がいま、事実上ないに等しいという状況です。特異な状況です。それは、言い換えれば本当に行動しよう、本当に闘おうと考える人たちの周りに多くの人たちが集まる、その可能性がここに確実に存在するということを示しています。
 私たちの実践の姿勢をもう一度確認させてください。四つのことを言いたい。一つ一つの現場の闘いを私たちはこの間、徹底的に強めてきました。二つ目、他の分野の闘いとの連帯を常に考えて取り組んできました。三つ目、全ての闘いを戦争反対と改憲阻止に結びつけて闘ってきました。怒りの結集をもって、私たちはこの岸田政権を打倒しよう。そして、その闘いの具体的な方向づけが、これから始まる多くの皆さん方の報告によって、確実に私たちの共通の理解、認識になるであろうと思います。よろしくお願いいたします。

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