ＣＳＰが無許可で陸揚げしていた警備艇（手前）とプレハブ２棟＝１１月、金武湾港金武地区

　名護市辺野古の新基地建設現場で海上警備を担うセントラル警備保障（CSP、東京）が無許可で金武湾港金武地区（通称金武漁港）の岸壁を使用していたことが9日までに分かった。

　管理する県は違法状態と認定。港の敷地内にある同社のプレハブや陸揚げした船舶の撤去も指導した。CSPは「県の指導に従って適切に対応する」と述べた。（編集委員・阿部岳）

　CSPは沖縄防衛局発注の海上警備業務を2017年12月から受託している。以来4年間、金武漁港を拠点として恒常的に辺野古沖へ警備艇を派遣してきたが、県によると一度も許可を出した記録がない。

　海上では新基地建設に対する抗議行動が続いており、県の許可が取れず警備艇が出航できなければ工事に影響する事態も想定される。現在も無許可使用は続いているが、県は今後、CSPが申請を出せば基準に照らして審査する方針。

　また、港の敷地内にはCSPが事務所や倉庫として使うプレハブ2棟が建っている。プレハブの周囲には警備艇が陸揚げされていたが、いずれも土地の使用許可を得ていなかった。

　県北部土木事務所は2日、CSP担当者を呼び、港の使用状況を確認。岸壁の使用許可を取ること、プレハブや陸揚げされた警備艇は撤去することを指導した。県の担当者は「必要な手続きが取られておらず遺憾だ」と述べた。

　CSPはこのほか、港の敷地内で毎日2回、配置に就く前の警備員数十人が参加する朝と昼のミーティングを開いている。警備員などの車数十台も常に止められている。県はこの点も適切かどうか、今後確認する。

　陸揚げされていた警備艇の一部はすでに撤去されている。本紙はCSPに無許可使用が続いた理由を尋ねたが、回答がなかった。 　警備業務を発注している防衛局は「現在、事実関係を確認している」とだけ述べた。