米軍関係者は治外法権…オミクロン株の感染爆発の裏に「日米地位協定」

米軍関係者は治外法権…オミクロン株の感染爆発の裏に「日米地位協定」

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女性自身

今回のクラスター発生を受けても、米軍側に求めたのは、米兵の“外出制限”程度。

■フリーパスだった米軍関係者

 そればかりか、在日米軍は昨年9月以降、日本への入国前後に行っていた検査を、日本に連絡することなく取りやめていた。 その結果、全国の米軍基地で大規模なクラスターが頻発。マスクなしに基地外に繰り出す米兵や、基地で働く日本人職員などを通じて、感染が周辺に広がっていったとみられている。

 日本が行ってきた感染対策を完全に無視した米軍の態度。しかし、同じく米軍が駐留している韓国では対応が大きく異なっている。

 琉球新報の報道によると、韓国に入る米軍関係者には、出国前の検査に加え、入国後2回の検査が継続的に行われている。うち1回は韓国側が行っているという。 この対応の差はなんなのか。 「韓国は、平時と有事に分けて駐留米軍に対処しています。今回のような国民の命にかかわる場合は〈検査を受けなければ入国を認めない〉と、主権国家として強く求めることができるのです」 米軍が駐留している国はほかにも多数あるが、受入れ国の法律が米軍に適用されない、という屈辱的な対応を受け入れているのは、日本ぐらいなのだ。

■米軍の“事故”は裁かれない

 日米地位協定の矛盾は、感染対策に限ったことではない。 「米軍関係者が日本国内で事件を起こしても、“公務中”であれば、アメリカの法で裁かれます。いわば治外法権なのです」 たとえば、米軍関係者が事故などを起こしても、米軍側の“公務中”という一方的な主張のみで、刑事責任が問われないという例は多数あった。

 また、“公務外”で犯罪を起こしても、起訴時までは身柄を引き渡さなくていいという規定のために、十分な捜査ができなかった事例も多い。

 「じつは、アメリカ自身も、こんな古い考え方は、通用しないと考えている。米国防省のマニュアルにも、〈受入れ国の法規は、国際協定による規定がないかぎり、その国の米軍に適用される〉という趣旨が記されています」

 しかし、今回のクラスター発生を受けても、米軍側に求めたのは、米兵の“外出制限”程度。 「それも“1月10日から14日間”と期間限定です。米軍の管理のずさんさのために、回復傾向にあった経済は破壊されています。

 『国民は非常に怒っています。日米関係は危機的な状況になっている』と、岸田文雄首相が強く抗議し、米軍に補償を求めるくらいはしないと、今回のようなことは繰り返されるでしょう」 これまで、基地周辺に住む人ばかり直面させられてきた日米地位協定の矛盾。今回のコロナ禍で、日本国民全員が当事者になろうとしている。

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