はえ縄漁の最中に…米軍ヘリから点滅する物体が落下 海面近くまで下降「一歩間違えれば大惨事」怒る町長

はえ縄漁の最中に…米軍ヘリから点滅する物体が落下 海面近くまで下降「一歩間違えれば大惨事」怒る町長

2022年4月7日 09:44

 米軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリコプターが3月30日午後9時ごろから、沖縄県北谷町沖で捜索救助訓練していたことが6日、分かった。現場から約500メートルの距離で北谷町漁業協同組合員の新崎盛朗さん(37)がはえ縄漁をしており、訓練を一部撮影した。同基地は取材に「当該区域で安全に実施できると判断された後に実施した」としているが、町や漁業関係者などに事前連絡はなかった。提供水域外の可能性がある。渡久地政志町長は「町民が危険にさらされたのは明らか。一歩間違えれば大惨事だ」と反発した。

 新崎さんによると、米軍ヘリ1機が海域上空を旋回し、ゆっくり下降。海面から高度約50メートル付近で緑色に点滅する物体が落下した。ヘリはさらに海面から約5メートルほどまで高度を下げた。

米軍のボートから「ピックアップ」と声

 落下物を確認しようと新崎さんが船でヘリの約100~150メートルに接近すると、米軍のボートが間に入ってきた。大声で「何しているのか」と聞くと「ピックアップ」という単語が聞こえた。制止されているように感じ、少し離れて観察していたという。その後、動画を確認すると海面に人のような影も確認できた。

 目撃情報によると嘉手納基地西側の提供水域近く。提供水域内であっても漁業は制限されておらず、新崎さんは「安全確認しているというが、信じられない」と不安を募らせた。

 3月には、厚木基地所属の海軍ヘリが訓練区域外の名護湾でつり下げ訓練し、県が提供区域外で訓練しないよう求めている。訓練場所に近い嘉手納町の當山宏町長は「提供水域外であれば容認できない。区域外訓練が常態化してはいけない」と懸念を示した。

 外務省は「事実関係を確認中」とした。県も訓練場所などの情報を収集している。(社会部・砂川孫優、政経部・大城大輔)

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