ミャンマーで数十万人がデモ 国軍への抗議7日目、最大規模

ミャンマーで数十万人がデモ 国軍への抗議7日目、最大規模

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共同通信

12日、ミャンマー最大都市ヤンゴンで、クーデターへの抗議デモに集まった大勢の人たち(共同)

 【ヤンゴン共同】ミャンマーでクーデターを実行した国軍への抗議は12日も続き、7日連続の大規模デモとなった。ロイター通信によると、デモ参加者は全土で数十万人と過去最大規模に膨れ上がり、警官が発砲したゴム弾で3人が負傷した。最大都市ヤンゴンや首都ネピドーなど各地で朝から市民らが沿道を埋め尽くし「民主主義を返せ」と気勢を上げた。

 国連人権理事会は12日、ミャンマー情勢を巡る特別会合をジュネーブで開き、欧州諸国などからクーデターを強く非難する発言が相次いだ。一方、中国とロシアは「内政問題だ」として今回の特別会合の開催自体に反対するなど、足並みの乱れも見られた。

 

「30代以上、クーデターに憤り」 ミャンマー出身の大学准教授

 

母国ミャンマーのクーデターについて「経済や民主化を妨げる」と訴える熊本学園大のエイ・チャン・プインさん=10日、熊本市中央区

 ミャンマーで起きた国軍のクーデターは抗議デモが全土に拡大する一方、武力鎮圧の懸念が高まっている。熊本学園大経済学部准教授のエイ・チャン・プインさん(35)は民主化前の様子を知る同国出身者。「経済成長も民主主義の成熟も、まさにこれからという時期なのに」と平和解決を切望している。

 1985年、最大都市ヤンゴンで出生。18歳で長崎短期大へ留学するまでに経験した民主化弾圧は、暗い記憶として残っている。強い国軍の監視。「アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)の名前や、民主主義を口にすることもできなかった」と振り返る。

 短大卒業後、熊本学園大大学院に進学。母国が民主化にかじを切った2010年の総選挙は、出産のため帰省したヤンゴンで民主派政党に投票した。「平和と発展を目指して一歩を踏み出した幸福な瞬間は今も忘れない」。その当時を知る30代以上は特に、今回のクーデターに対して憤っているという。

 熊本では途上国の経済や格差、貧困の問題を研究してきた。ミャンマーはこの10年でインフラや物流の整備が進み、日本を含む海外からの投資や企業の進出が加速。エイさんは母国の経済を飛行機に例え、「滑走路を離陸し、上昇する直前」と説明する。

 そうした中で起きた今回のクーデター。米国が経済制裁に踏み切り、日本などが経済支援から撤退すれば、「民主化後に積み上げた国際的な信頼が崩れるだけでなく、経済が停滞すれば取り戻せない」と訴える。

 全国で数万人規模に拡大した抗議デモには、学生ら多くの若者が参加。会員制交流サイト(SNS)を駆使して団結を呼び掛けており、エイさんは「民主主義で育った世代は暴力による衝突ではなく、平和的交渉の大切さを知っている」と希望を抱いている。

 国軍はNLDが大勝した昨年の選挙に不正があったとして、1年後に再選挙を実施すると強調している。エイさんや母国の家族、友人が願うのは、スー・チー氏らを解放した上での選挙の実施。「国軍が国民の声を受け止めることで、平和や発展、日本や熊本との友好関係を一日も早く取り戻してほしい」と母国への思いを募らせた。(堀江利雅)

 

 

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