ジェイアールバス関東の不当行為を認定 社員救済を命令 都労委

ジェイアールバス関東の不当行為を認定 社員救済を命令 都労委

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毎日新聞

高層ビルが建ち並ぶ東京都心。中央奥は皇居=東京都港区で

 東京都労働委員会は、ジェイアールバス関東(本社・江東区)の支店長が東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)の組合員だった社員に対し、組合に脱退届を提出するなら不祥事を握り潰すなどと述べた行為は不当労働行為に当たるとし、救済命令を出した。社員と代理人弁護士らが1日、都内で記者会見して明らかにした。

 命令は9月16日付。救済命令を申し立てていたのは、当時、白河支店(福島県)勤務だった佐藤友宏さん(38)=現在はジェイアールバス関東労働組合に加入。命令書によると、佐藤さんは2018年11月、回送バスを運転中に喫煙し、私用携帯電話で通話した。車載レコーダーなどからこれを知った白河支店長(当時)に呼び出され、会社に報告しない代わりに労組へ脱退届を出すよう求められ、「会社がそういう方針」と説明された。都労委はこの事実を認定した上で「支店長の行為は、会社による組合の運営に対する支配介入」と判断し、社内に命令内容を掲示するよう命じた。

 会見で佐藤さんは「(脱退を求められて以降)苦しんできた日々にやっとわずかな安堵(あんど)が訪れた。組合員に対する差別やパワハラなどは今も続いている。うみを出し切ってほしい」と訴えた。

 命令を受け、ジェイアールバス関東は9月29日に中央労働委員会に再審査を申し立てたとしており、「会社の主張の正当性が一部認められていないので引き続き、主張・立証していく」としている。【小林遥】

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