国葬準備、不手際相次ぐ 参列者数不確定、招待の基準曖昧…

国葬準備、不手際相次ぐ 参列者数不確定、招待の基準曖昧…

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北海道新聞

政府に逆風やまず 当日まで混乱?

岸田文雄首相

 安倍晋三元首相の国葬が27日に迫る中、政府の準備作業で不手際が相次いでいる。案内状の発送遅れなどから参列者数が確定できず、案内状送付先の基準が曖昧であることも判明。政府への「逆風」はやまず、混乱は当日まで続きそうだ。

岸田文雄首相が19日に米国へ出発する前に参列者数をまとめたかったが、ちょっと困った」。首相周辺はこう漏らした。国葬の案内状とともに送付した返信用はがきの投函(とうかん)締め切り日を13日に設定していたが集まりが悪いという。

 そもそも案内状の発送自体が遅れた。政府関係者によると、9月初めに案内状の印刷を終えたが、参列者の送迎バスの集合時間や場所を確定するのに手間取り、一部の案内状は予定期日に発送できなかった。

 このため返信はがきの締め切り日を簡易なテープで修正し、速達で郵送する事態が発生。首相が国葬に関して説明する意向を急きょ表明し、8日に質疑が実施されたことから、首相の国会説明を待って発送したとの見方も出ている。

 16日の野党ヒアリングでは「なぜ経費を余分に掛けたのか」と追及を受けた。内閣府の担当者は「手作業で直して速達で送った方が安く済むという判断だった。印刷し直しても批判されただろう」とこぼす。

 案内状の送付基準にも疑問の声が上がる。野党がヒアリングで、各省庁の推薦で選ぶ各界代表者の基準をただすと、政府は「(選考の)明示的な基準はない」と認めた。案内状を受け取った演出家宮本亜門氏がツイッターで「どうしてこれが僕に?」とつぶやくなど波紋を広げていた。  

 立憲民主党の執行部や複数の首長らが欠席を表明するなど、国葬への賛否が分かれる状況が続く。「静かな環境で国葬を行いたい」(木原誠二官房副長官)とする政府の狙いからかけ離れた状況となっている。

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