ロシアの動員反対デモ参加マニュアル

ロシアの動員反対デモ参加マニュアル

2022-09-24 | ロシアコラム


9月24日午後5時、全ロシアでの動員反対抗議活動を呼びかける民主化運動組織「ヴェスナ(春)」のツイッター画像より。

ロシア語の「動員」にあたる単語を一文字差し替えて「墓」という字を入れている。動員=墓場行き。あえて日本語にあてはめると「赤紙」を「墓紙」と揶揄するようなニュアンスだろうか。

ロシア極東は、すでに午後5時を回っているが、首都モスクワやサンクトペテルブルクが午後5時を迎えるのは、日本時間の午後11時。デモに参加すれば、拘束・逮捕されるどころか、男性は有無を言わさず、召集令状に署名を迫られる危険もある。

それでも勇気をもって抗議活動に参加しようとする人がどれだけいるかは未知数だが、危険に備えてこんなガイドも用意されている。

動員反対:抗議活動に安全に参加するためのガイド

この内容がまた恐ろしい。例えば…。

・顔認識システムに識別されないように、マスクを着用し、地味な服装で。
(服装については、暴行を受けた場合に備えて、さらに細かい指示あり)
・持参するもの/パスポート、携帯電話、充電器、モバイルバッテリー、水、おやつ、ナプキン、医療機関の押印がある医薬品や処方薬、衛生用品
・家から直接デモに向かわず、大通りや警察署など防犯カメラのある場所を避けて。帰路も同様。
・地下鉄は使わない(地下鉄には顔認識システムを備えたカメラあり)
・タクシーを使うときは家まで呼ばない。アプリも使わない。
・自家用車はナンバーを追跡されるのでNG
・デモの前後にカードを使わない。店や交通機関での支払いは現金のみ。
・SNSに接続できず、個人的な写真やデータがなく、SIMカードがパスポートに紐づけされていない「安全な」携帯電話をもつ。
(携帯電話については、その他いろいろ細かい指示あり)

さらに、警察官から棍棒、スタンガン、催涙ガスで攻撃を受けたときの自己防衛法、拘束された際の対処法と連絡先などが、事細かく記されている。ここまでしなくてはならないほど、今のロシアはソ連時代以上に「1984」化してしまったということか。デモに参加して声をあげることは尊いことだが、当局はそこまで読んで次々に新しい法律をつくり、市民を囲い込んでくる。くれぐれも無理をしないで身を守ってほしいと願わずにはいられない。

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