東京の重症者数は国基準なら1カ月14倍増! 都基準が「オミクロン株は軽症」をミスリード
都の基準は国基準と違い、ICUに入っている患者を含まない(小池百合子都知事)/(C)日刊ゲンダイ
重症化リスクが低いとされるオミクロン株。確かに、これまでの新型コロナウイルスとは異なり、肺炎による重篤化は少ないが、軽視できないのは、肺炎以外による重症化リスクがあることだ。実際、東京では肺炎以外の重症者が倍々ゲームで増えている。 菅前首相グループが3月に派閥化か…“オミクロン政局”に備えて復権狙い ◇ ◇ ◇ 都の11日までの1週間平均の感染者数は890人。前週比981%の激増だ。一方、重症者数は4人にとどまり、重症病床使用率は0.8%(4人/510床)とガラガラだ。 東京でもオミクロン株が広がっている。「オミクロン株は重症化しない」との説を裏付けるような数値に見えるが、ここにはカラクリがある。 都の基準の重症者は、人工呼吸器やECMOの管理が必要な患者のみが対象となっている。国の基準では、ICU(集中治療室)に入っている患者も重症者に入れているが、なぜか都はICUに入っている患者を含めていない。 WHO(世界保健機関)は、オミクロン株について、鼻やのどに影響がでるとの研究結果が多く、肺炎を引き起こすこれまでの変異株との違いを指摘している。つまり、オミクロン感染の場合、人工呼吸器の出番が少なくて当然なのだ。 問題は人工呼吸器やECMOに加え、ICUを使用している患者も含めた国基準の重症者数だ。国基準だと、東京で急増している。 東京の国基準の重症者数は昨年12月11日は10人だったが、今年1月4日は47人、11日は148人へと膨れ上がっている。1カ月前から14倍、ここ1週間で3倍である。重症病床使用率も10%(148人/1468床)に上る。
「軽症」では済まない恐れ
東京では肺炎以外の重症者が倍々ゲームで増えている(東京・渋谷スクランブル交差点)/(C)日刊ゲンダイ